ぶらログ

真・清く正しくおぞましく

馬優先主義

ヴィクトリアマイルをレコード勝ちしたノームコアが故障。

そしてオークスはラヴズオンリーユーがレースレコード。

ダービーもペース次第ではレコードが出ても不思議ではないだろう。

 

いつもの如く叩かれてましたね。確かにレコード連発してたら盛り下がるというのは同意だが。以前、高速馬場に関するエントリーを書いた。

 

crcr1129.hatenablog.com

 

現時点で言いたいことはここに書いたので特に付け加えることはない。

高速馬場批判にも色々あるようだ。それに対する自分の反論も書いてみる。

 

 

①「日本はガラパゴス馬場。世界に合わせるべき」←これはよく言われてきた。では、どの国の競馬場を標準に設定するのだろうか。その根拠も合わせて示さなくてはならない。

昔からいるのだが、中にはただの欧州贔屓、イデオロギーを押し付けてるだけの意見がある。欧州競馬もチェックしてるが、自分にはどの競馬場を模範にすべきかはさっぱりわからん。馬場は違っていい。多様性とはそういうもの。

 

②「こんな馬場を造ってるから海外で勝てない」←①とも関連するが、海外で勝たせるために馬場造りをしているわけがない。それに海外でもそこそこ好走してるで。凱旋門賞で惨敗してるイメージが強いのだろうか。エイシンヒカリキズナはどうなる。欧州マイルで善戦したローエングリンテレグノシスは?フェアな舞台を望むならドバイしかない。そこで負けるのなら言い訳できない。近年のシーマクラシックの結果から2400では欧州が優勢と見ている。今年も凱旋門賞は厳しいだろう。凱旋門賞がすべてではないというのは同意。これがジャパンカップになるとまた変わる。それでいい。ホームアンドアウェーによる有利不利はあって当たり前。それがあるから競馬は面白い。

 

③「今の馬場は能力を極限まで引き出してしまう(だから故障する)」←能力を極限まで引き出すのは馬場だけが原因なのだろうか。時計がかかる馬場なら能力は引き出されないのか。いつの時代でもどの国でもどんな馬場でもそれは求められてきたのでは。G1では尚更。何が何でも勝ちたい勝ってほしいという人間の欲望は馬に負担を強いていないのか(それが悪いとは言っていない)。

 

④「なんか怖い。故障するんじゃないか」←ここなんだよなあ。とはいえ毎度大げさに語られるほど高速時計と故障の因果関係は明らかになってはいない。ここがもう少し解明できれば。ハッキリ言ってその証明は難しいだろう。果てしないデータ合戦になりそう。ただ、この「なんか怖い」という国民感情みたいなもんは無視するわけにはいかないのだろうな。

 

 

そうなると走破時計をどうにかするしかない。

少し前までは「コンクリート馬場」が高速馬場批判の合言葉になっていたのだが、それが解消されてきたら今度は時計が出すぎることが批判されている。なんだそりゃと思うが、造園課はもう一段何かが必要なのだろう。馬の安全と同時に客も安心させる何かが。

 

よく冗談半分で、芝を捨ててダートかオールウェザー(以下AW)で施行しましょうとつぶやいていたのだが、ほんとそうなってもいいとは思ってる。実はダートのほうが故障率高いデータが出ていたり(これは色々仮説が成り立つ)、AWにしたところで故障率もたいして変わらないかもしれん。あくまで高速時計問題を回避する手段としてだ。

ダートは地方との兼ね合いもあるよなあ。予算面、管理面の問題などAWもデメリットはありそうだが、別に芝で競馬やらなくてもよくね?AWにして正真正銘ガラパゴス馬場にしてしまう。むしろその方が外国馬も適性求めて参戦してきたりしてね。USやドバイは結局AWからダートに回帰した(ただ、その理由もどこかきな臭いんだよな…)ので日本も導入したところで意味はないのかもしれない。

それでももしJRAが万策尽きました、芝やめます、AWにしますと言ったら自分は賛成する。そうなった時に高速馬場批判してた人たちは受け入れるのか興味はある。いずれにせよ現実的ではないだろうけど。

日本の風土に合わせ、「均一性」「平坦性」「クッション性」を維持しつつ、走破時計もそれほど速くならない芝……どうやったら実現できるのだろう。落としどころを探っていくしかないのでしょうな。持ち上げすぎてもよろしくないが、自分は馬場に関しては概ねJRAの方向性を支持してる。なぜなら馬優先主義が根底にあるから。色々誤解されているのが残念だが、上記に貼った過去エントリーで紹介した参考文献を読む限り、随分前からJRAは馬場造りに関しては真摯に取り組んでいる。馬は商品でもあるから当然だけどね。あとは走破時計の問題さえクリアできればなあ。故障との因果関係を裏付ける確固たるデータが存在するわけではない以上、今の路線でもいいとは思うのだがな。馬場は善悪二元論では語れない。

 

 

 

横山典弘が騎乗停止食らってダービーに乗れなくなった。

近年のノリといえば「ヤラズ」騎乗。

買ってる客からしたら腹立たしいだろう。自分もヤラれたことはある。

でも、結構好きなんですよねノリのヤラズ。

「このレースで頑張らせてもどうしようもないんだよ」というノリの無言のメッセージのような気がして。

勝負師としては間違っているが馬優先主義としては圧倒的に正しい。

ただ、それと同時に残酷な面も持ち合わせている。

レースで結果残せなかった馬に待っているのはほとんどが死。

そういう意味ではドライなジョッキーともいえる。

どうしてノリは今回ヤラなかったのだろうと考察する楽しさもある。たまにこのオッサンやる気ねえだけじゃねーかと思うこともあるが。

今年のダービーは残念だったが代役は息子になったみたいだしこれはこれで面白い。

 

競馬はスポーツでありロマンでありそしてギャンブルである。それらと馬優先主義はどこまで両立するのだろうか。そんなことを馬場問題、ノリのヤラズ、この2つから少し考えてみた。競馬はあらゆる矛盾をはらんでいるからこそ魅力がある。なんてことを言ったところで人間側の都合のいい解釈であって、馬からしたらいい迷惑なだけだろうね。